酵素風呂の中の熱に強い菌
酵素風呂というのは、実は、酵素によって熱が出ているというより、発酵によって熱が出ているという方が正しいです。
菌がたくさん増えて、酸素と栄養分を使って呼吸し、栄養分を完全に酸化分解することによって熱が出ています。
呼吸とは、そもそも「緩慢なる燃焼」と言っていいでしょうが、菌は栄養分をゆっくりと燃やし続けているわけです。
じゃ、菌というのはどんな菌?とお思いでしょうか。
どこかから特別な菌を持ちこんでいる酵素風呂店はまずないでしょう。
常在菌と言ってどこにでもいる菌のうち、酵素風呂の熱がだんだん上がっていくうちに生き残っていく種類があります。
それが酵素風呂の熱を作り出しています。
それはどんな菌でしょうか。
少なくとも言えるのは、70度になっても死なない菌です。
耐熱性の菌です。
納豆を作る時、わらを熱湯につけて、そこで生き残った菌を利用することを御存じでしょうか。
枯草菌の仲間である納豆菌がわらに棲みついていて、わらを熱湯につけることで、他の雑菌が死滅して、納豆菌が生き残ります。
ですから、酵素風呂にも枯草菌類がたくさんいるのではないかと考えられます。
通常、卵でもなんでもタンパク質は熱を加えると変性して固まってしまいます。
しかし、この耐熱性の菌だけは、自分たちが持っているタンパク質が特殊なのでしょう。
たぶんタンパク質の形が変わらないほどに構成要素であるアミノ酸たちが緊密な構造を作っているのではないかと想像されます。
当店の酵素風呂も毎朝、8カ所で温度を測り、60℃から70℃ぐらいになるように栄養分を調整していますが、
これだけの温度であれば、まず雑菌は生き残れません。
この熱に耐えられる菌だけが生き残っているのです。
酵素風呂とは、言い換えればこういう耐熱性の菌を育てているわけで、常にしっかりと管理して育て続けているわけです。